「農業をとめない!牧場をとめない!」を掲げる嘉藤農機です。隔週で農家さんの困りゴトや嘉藤農機からご提案できる農業・牧場現場の予防策を、嘉藤農機の近藤と嘉藤がお伝えしています。
今年も残すところ1ヶ月強ですね。北海道では積雪を前に冬支度を急ぐ方が増えてきましたね。タイヤ交換や庭の木々の冬囲いなどなど。畑作農家さんの収穫もほぼ終わりました。もちろん、畜産業の方々は雪が降ってもいつもどりの仕事があります。
つまりは「農業はとまりません」。農業をとめない!を合言葉の嘉藤農機は今日も明日もずっと、農機具・設備の整備・修理や農機具の販売で、皆様の農業をお手伝いさせていただいております
営業トークは終わりました?
はい。ありがとうございます。スッキリしました。さて今回のお題をください
今回はズバリ「トラクターを真っ直ぐ走らせたい」です
すでに、多くの農家さんはトラクターにGPSを設置して、真っ直ぐ走らせています。十勝の畑をご覧になればわかりますよね?真っ直ぐで美しい畝(うね)があり、畝と畝の間隔が均一です
そうなんですが、全国にはこれから農業をはじめる方もいますし、畑の規模を拡大して、トラクターを購入する人もいるんです。なんでも十勝だけで決めつけないでください
今日は少し強面ですね。わかりました。それでは、先ずはなぜトラクターは真っ直ぐ走らないか。自動車だって簡単に真っ直ぐ走らせられるのに、どうしてトラクターでは難しいのかわかりますか?
大きいから!ハンドルが重たいから!
ブーッ!パワーステアリングのついていない自動車なんてないし、本体が大きいからといって真っ直ぐ走らせずらいということには繋がりません
ではどうして????
田畑の地面は、アスファルトで舗装はされていません。土には凹凸があるし、地形に沿っているので勾配もあるし、山が多い日本の地形では、むしろ平坦な土地を探すのが難しいでしょう。とうぜん、農機のハンドルを真っすぐにしていても、凸凹や斜面にハンドルをとられて蛇行したりして真っすぐには進んでくれません
おおおお、仰るとおりです
しかも、等間隔で往復するわけですから、運転手の集中力もかなり必要です。最初は、まっすぐ走っているつもりでもいつの間にかズレてしまっていることだってあるでしょう。
走った後を見ると大きく蛇行していたことはザラです。特に、農業をはじめたばかりの笑い話の一つでもあるんです
GPSがない時代は、練習あるのみだったんですね
そうなんですが、実は練習時間が増やせない実情もあるんですよ。例えば、蛇行して隣の畝と重なっている場所があったりすると、農薬散布の箇所にムラができて害虫発生の原因につながったり、肥料をまく場所が重複することで無駄な量の肥料を撒くことになるんです。
害虫が発生すれば、収穫、つまりには収入に影響を及ぼすし、農薬や肥料を多く撒けば、それだけコスト増につながります
笑って済ませられませんね
そうなんです。耕作面積が広ければ収穫も増えます。畑のぎりぎりまでを使用できれば、それだけ収穫も増えます。いかに、きっちり等間隔で耕したり、種を撒くことの重要性がわかりますよね
はい、わかりました。なんか語気が強いですが、冒頭で少し責めたてからですか?
いえいえ、それもありますが(笑)。トラクターを真っ直ぐ走らせることが、それだけ大切なことだということです
なるほどです。でも十勝の農家さんの多くのトラクターにはGPSがついていて解決済みなんですよね。そんなに便利なんですか?
特に大規模な農家さんにとっては、もうGPSのなかった頃には戻れないと思いますよ。GDPでの制御が可能になったことで、自動運転に一歩近づいたわけです。運転席にドライバーは乗っていますが、ハンドルを操作するためにではありませんから。トラクターは設定に沿って、勝手に動き、きれいな畝を作ります。
肥料を撒く場合も設定で、どこにどのくらいの量を撒くかを設定するだけで、あとはトラクターがオートで撒いてくれるんです。間違えも減り、収量も上がったという声も聞きます
すごいですね。完全な自動運転も間近ですね
農機メーカーや農業機械設備会社さんなどが、こぞって自動化を進めています。メーカー機械に装備されるものとは別で、あと付けて自動走行が可能なシステムを開発している会社さんもあり、近い将来、農業機械の自動化は大きく変わるでしょう
無人化ですね
そうですね。室内で農機の作業設定さえすれば、勝手に駐車場から出てきて、農作業を行い、また戻る。まさにルンバ(ロボット掃除機)のようなトラクターも出てくるでしょう。日本の農業の大規模化は待ったなしです。自動化が収益を高めて、持続可能な農業へと押し上げていくと信じています。
ただ、無人化には農機と人が接触しない安全機能が必要ですし、現場での実験回数も必要ですが、種まきや収穫、その他の作業など限られた回数で実証実験を行う必要があり、AI(人工知能)にケーススタディを覚えさせる絶対数が少ないのも課題とされています
まだまだ課題は山積ですね
そうですね。とはいえ、嘉藤農機としては現在ある機械や仕組みのなかで、農家さんの経営を安定、あるいは規模拡大のお手伝いをする際に、適切な農機具を提案し、その後のメンテンスも支援する。営農バックアップ会社、それが「嘉藤農機」です
締まりましたね。ではまた次回の困りごとで!